Riberal Days
ズレが生じ始めた方向性
西葛西へ移り早2年、社員数も徐々に増えてきました。
社員数が増える嬉しさ反面、問題が生じます。
知的障がい者へ直接指導している健常者と
直接指導していない健常者の間で考え方や方向性にズレが生じるようになります。
障がい者に対する指導方法に異議がでるまでになりました。
「厳しくしすぎでは?!」
「その指導方法で正しいの?!」
指導にあたっている管理課の社員からすると
出来事をすべて見ずに断片的に見て言われては
「厳しい」と言われて当然でした。
「厳しい」のには意味があり、それは当然と考えていました。
しかし、社内から出た疑問の声。
方向性のズレを感じた瞬間でもありました。
少数精鋭の組織で方向性にズレが生じては、
共に事業活動を続けていくことは困難です。
そこで、障がい者雇用をしている特例子会社を数社見学させて
もらうことにしました。
どんな取り組みをしているか、厳しくすることはあるか、
問題が生じた時はどのようにしているか・・・
書ききれないほどの、質問事項を手に
見学を通じて自分たちが行ってきた指導が
正しいのか誤っていたのか、はっきりさせようと
数社の特例子会社の担当者や代表の方に
話を聞きに出向きました。
その結果、自分たちの指導と
多くの特例子会社の考えが大差ないことを知り、
同時にリベラルに足りない決定的なものを
はっきりさせることができました。
それが【Credo(クレド)】でした。
今までは人数が少なかったので、
ある程度の意思疎通も難なくできたものの、
2015年には人数も増え、以前のようには
いかなくなってしまったことが
原因のひとつでもありました。
ある特例子会社の社長が
「クレドを作った方がいい」
そう強くアドバイスをくれました。
「そうだ!リベラルでもクレドを作ろう!」
社員全員で作ったクレド
クレドを作るにあたり、健常者だけでつくっても意味がありません。
みんなで休憩室に集まり、
「みんなが仕事をする上で大切にしていること」
「みんながお客様にどういう思いで商品を届けているか」
単語でもいい、みんなの思いを聞かせてほしいことを伝えると、
驚くことに多くの知的障がい者が手を挙げました。
会話が苦手な社員も一生懸命に自分の思いを伝えようとする姿に、
胸が熱くなった瞬間でした。
実際にたくさんの言葉が挙げられ、"日本一"を掲げたクレドが完成しました。
一番下段の【日本一の感謝】ここに入れられている"支えてくれる全ての人"の"支えてくれる"
という言葉は最後まで迷い、特に思い入れのある文章になりました。
全社員で心をひとつに作ったクレド。
これからは、どんなことがあってもこのクレドを基に行動しよう。
万が一問題が起こっても、クレドを思い返して。
2015年9月に制定したクレドは、2021年の現在も
何か問題が起こる度に見返しています。
クレドをつくったことは間違いなくリベラルの歴史の中で
大きなターニングポイントになっています。
当時ね、こう思ってたんですよ。
「オリジナルもみんなが真似れば手本になる」って。自分たちがやってきたことに信念と覚悟をもってやっていたので。社内から批判があがった時は、正直くそっと思っていました、内心はね。
ただ、そのことがきっかけで他の特例子会社を見学できたことは、チャンスと思うようにしました。結果、すごく良い経験をさせていただきました。どの特例子会社の担当の方も、すごく親身になって話を聞いてくれてとてもありがたかったです。どこへ行っても、「うちでもありましたよ」と声をかけてくださり、励ましてくださり、力になりました。だからこそ、今うちに見学や相談にくる障がい者雇用している方の話を真剣に聞いて、我が事のように相談に乗ろうと決めています。
クレドを作ろうと決めた時から、社員全員で作ろうと決めていました。健常者だけでつくっても意味がない。知的障がい者のみんながたくさん意見を出してくれて、驚きました。まさかこんなに意見が出てくるなんて思っていなかったので、すごく嬉しかったことを覚えています。