Riberal Days

リベラル 複合機 リペア
2021/08/25
第12回 現場のリアル
職域の拡大~親会社から任された大きな仕事~
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設立から5年…親会社から任された大きな仕事

リベラル 複合機 リペア

設立当初から、親会社に依存しない経営を目指し
事業活動を行ってきたリベラル。
売り上げの大半は外部販売でした。

親会社への中古OA機器販売は行っていたものの
割合としては外部販売が大半を占めていました。

2013年秋、リベラルに転機が訪れます。
親会社の技術部門から
「リベラルでこの仕事できないか」
と、相談がありました。

その仕事とは"複合機の修理作業"(リベラルではリペアと呼んでいます)です。

親会社からの大きな仕事の依頼。
期待に応えたいが、果たしてリベラルの障がい者にできるのか。
仕事の依頼があった時から、健常者だけでその仕事をすることは
一切考えていませんでした。

リベラルは、障がい者の会社であり、健常者の役目は障がい者の
仕事を生み出していくこと。
健常者だけでやっては意味がないのです。

当時、リベラルで技術を担当していた健常者が考えて出した結論は

"No"

あまりに難しすぎる仕事内容でした。
健常者でも分厚いマニュアルを見ながら行う仕事を、
字を読むことが苦手な障がい者にできるわけがない...

「無理だと思いますね・・・」

そう話す技術スタッフ、
しかし、せっかく親会社から依頼を受けた仕事。
胸を張って引き受けたい。
断るのはもったいない。
やってもいないのに、断るのは悔しい...
そう考えているうちに、根拠のない自信が生まれ、
完全に前を向き始めている健常者の気持ち。

「挑戦してみよう!」

その一言で、みんなの気持ちが固まり、
それと同時に"覚悟"をした瞬間でもありました。

しかしその決断が、のちに、
知的障がい者の未知なる可能性を知ることとなります。

マンツーマンでゼロからスタート

リベラル 複合機 リペア

複合機の修理は、非常に細かく難しく複雑な作業です。
誰にこの仕事を任そうか・・・

ある知的障がい者で清掃作業で
思うように結果を出せず思い悩んでいる社員がいました。
ただ、とても記憶力が良く、ネジの場所などを
詳しく覚える特技がありました。

「彼にマンツーマンで新しい仕事を教えてみよう」

ひとりの障がい者に健常者が一ヶ月付きっきりで教え、
一ヶ月で一台の修理を完成させることができました。
文字にすると簡単ですが、本当に大変でした。この一言に尽きます。
一ヶ月に一台ですからね...でもこんな時に大事にしていたのが、
「のんき 根気 元気」
とにかく、根気づよく向き合いました。

始めてから3ヶ月で、変化が表れました。
さらに台数をのばすことができたのです。
ほんの少しだけですが、先が見えた瞬間でした。
しかし、親会社からの修理依頼は毎月数百件。
それを考えるとこのままでは、到底仕事を引き受けることができません、
人数を増やさないといけないと考えていた時、
その作業を興味深く見ていた数名の知的障がい者が
「やってみたい」
と手を挙げてくれました。

数名の知的障がい者によって「リペアチーム」が
結成され、2014年より本格的に稼働しました。

最初は健常者一名が指導者として、チームに加わり
彼らと一緒に作業を行っていましたが、
のちに健常者が離れ、現在では知的障がい者だけで
親会社から依頼の複合機の修理作業を行っています。

やれることだけやっていたら、
それは楽ですし、楽しいと思います。
しかし、難しいことに挑戦することで
最初はなかなかうまくいかなくても
それを乗り越えたときに、
それが自信となり、やりがいや達成感を得ることができます。

その気持ちを知ると、仕事を辞めません。
きっとその気持ちが自身の背中を押してくれるのだと思います。

【自らの居場所を自らの手でつかみ取る】

リベラルでは、簡単な仕事だけやればいいという考えは一切ありません。
難しい仕事も、みんななら乗り越えられると信じているから任せています。

リベラルがこの考えに至ったのには、リペアチーム発足も
間違いなく大きな影響を及ぼしています。

私たちは知っています。知的障がい者の可能性が未知であることを・・・

リベラル 佐久間

複雑な仕事だったので、「この仕事をやりたい」という気持ちがないと難しい仕事でした。なので、「やりたい」と手を挙げてくれた時、すごく嬉しかったですね。
今でも思うのは、よくこんな難しい仕事を覚えたなと。とても驚いています。どれだけ複雑で煩雑な仕事かといいますと、戦艦ヤマトのプラモデルを設計図なしに仕上げるのと同じレベルなんですよ。今では会社の中でも非常に重要な部門です。この仕事を可能にしたことで、前回も話しましたが、「知的障がいって何?」それが頭を巡ります。もっともっと色々なことができるんじゃないかと思うと、その可能性が楽しみです。

2013年に親会社から仕事の切り出しがあったことは、大きな転機になっていますね。こんなに難しい仕事ができるリベラルのみんなを誇りに思います。

Special Contents 現場のリアル 合言葉は「のんき 根気 元気」  ~戦力として活躍する障がい者たち~