Riberal Days

メンテナンス 複合機
2021/06/18
第10回 現場のリアル
複合機のメンテナンスへの挑戦
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職域の拡大 複合機のメンテナンスへの挑戦

設立当初から清掃作業を行ってきた知的障がい者たち。
ある時、一名の知的障がい者が自ら

「複合機のメンテナンス作業をやってみたいです」

と申し出てきます。
その知的障がい者社員は、複合機のメンテナンス作業をする
技術スタッフを見て、自分も挑戦したいと話してきました。

しかし複合機のメンテナンスは技術スタッフでも
難易度が高く難しい仕事。
ましてや、顧客へ商品を出荷する前に動作確認を
しなければならない重要な仕事。
本人のやりたいという気持ちだけで、
任せていいのだろうか。

健常者の気持ちに迷いが生じます。

もともと車や機械に興味の強い知的障がい者。
本人がやりたいと言うなら、やらずしてダメと判断することは避けたい。
それが健常者の最終決定でした。

リベラルには技術スタッフが1名しかいないため、
日中つきっきりで教えることはできません。
マンツーマンで教えてしまったら、
日中のメンテナンス業務が滞ってしまいます。

総括的に考えて、教えるのは就業時間後。
そうなると会社の判断だけでは、
教えることはできません。

保護者の方に本人の意志や会社の考えを説明しました。
すると保護者から
「本人が希望していることならやらせてほしいです」
と後押しがありました。

定時までは他の社員と一緒に清掃作業を行い、
定時過ぎにメンテナンス作業を覚える日々が始まりました。

本人の頑張りにより3ヶ月ほどで、一通りの作業ができるようになりました。

一番驚いたのは、私たち健常者であったかもしれません。
彼には学習障害があり、勉強も苦手であったのに、
複合機のメンテナンス作業を覚えるために、
手書きでびっしりと書かれたノート。
そのノートを見れば、誰もが自分で仕事を覚えたいという
【本気】を感じることができました。

彼が真剣に仕事に向き合う姿を見て、
こんなに頑張れるだ...障がいって何だろう...

そう思わずにはいられませんでした。

自分で自分の居場所をつかみ取る

自分で自分に向いている仕事を見つけ出した知的障がい者。
知的障がい者の可能性を考えた時、
驚きと感動しかありませんでした。

ましてや「それは無理だろうな」と思っていた内容。
健常者でも難しいメーカー研修などを受けて覚えていく作業。
それをひたすら技術スタッフから聞いて、
ノートに書きためて覚えていったその姿を見ると、

「世の中で"知的障がい"って、いったいどんなくくりなんだろう」

そう疑問に思いました。
こんなにすごいことができるなんて、
障がいって何だろう...何をもって障がいなの?
頭の中に「?」が浮かびました。

人それぞれ得意不得意がある中で
苦手なことができないだけ。
好きなことならできる。

他の社員もまだ知らないだけで
まだできることがあるかもしれないと
そう思いました。

彼らの引き出しを見つけることの大切さ、
障がい者に何が向いているかは、
学生時代に見極めておくことも大切であると同時に感じました。

自分の得意を見つける
得意を見出してあげる

それらが本人のためになるということを。

"障がい特性"も然り"個人の特性"を見極めて仕事をすることで
職場定着を図れることを思い知った出来事となりました。

今回は本人が言ってきたから、
今回は職域を拡大することができた。
でももっとひとりひとりの障がい者に目を向けて、
障がい者がイキイキと働ける職場を目指していかなければ...
会社として障がい者が色々な仕事ができる環境をつくりあげることが
大切だと気づくきっかけとなりました。

のちに清掃以外の仕事を障がい者が担当するようになりますが、
すべてこの知的障がい者社員の行動力とやる気が良い事例となり
イメージできるようになりました。

普段障がい者を見ていく上で、
どの社員がどの仕事が得意で、何に興味をもっているか。
周りの健常者がどれだけ気づけるかが非常に大切だと
この経験から学びました。

☞社員インタビューはこちら

佐久間様

本人の最初のイメージは、眉毛も細いし、髪も茶色いし、「おいおいおい大丈夫か、この生徒」が第一印象です。笑
彼は白鷺の作業学習授業(リンク)の第一期目の生徒なんです。
見た目の割には、素直で率先してクラスをまとめてくれて、面倒な作業も進んでやってくれたので、声がかけやすかったんです。当時2年生だったんですけど、チームをまとめられるくらいしっかりしていました。
縁あってリベラルに入社してくれて。彼は新卒で採用した数少ない社員です。手前みそですが、彼も
社員インタビューで話してくれていますが、リベラルに来てくれてありがとうと思いますし、うちの会社に来ていなかったら、彼が言う通り、もしかしたらすぐに会社を辞めていたかもしれませんね。でもこのようにオープンに話せているくらい、今ではリベラルにどっぷり浸かってます。笑
彼はこれだけのことをやっていますが、学習障害があり、本当に勉強が苦手だったと話しています。働きぶりだけを見ると、物覚えも早く信じられないくらいなんですけどね。
なので、障がいって何?!って思ってしまいます。

Special Contents 現場のリアル 合言葉は「のんき 根気 元気」  ~戦力として活躍する障がい者たち~