Riberal Days

リベラル 設立社員 複合機
2020/06/18
第2回 現場のリアル
2008年6月17日、すべてはここから始まった。
ツイート いいね! 第2回 現場のリアル

入社式、そして知的障がい者5名と健常者2名ではじめての清掃作業へ

面接の際に、上田と佐久間が「この人と一緒に働きたい」と
フィーリングで採用した知的障がい者5名。
2008年6月リベラルの仲間として入社しました。
初日の午前中に入社式を行い、その後さっそく作業をスタートさせました。

「最初から順調にいくはずがない」

もちろんそういった覚悟はしていていました。
でもこちらも準備は万全にしていたつもりでした。
写真や絵を挿入して、漢字にはカナをふった
上田常務の自称自信作である"複合機清掃マニュアル"✨

しかし、知的障がい者社員にマニュアルを見せると
返答は「読めません」でした。

自信をもって完成させたマニュアル。
「これだったら大丈夫!」だと思っていたマニュアルも、
字が読めない社員にはもちろん通用しません。
ただの紙切れです。

「文字が読めないならば、実際に見せて教えよう!」

しかし、ここでもまた問題です。
実は健常者2名も複合機清掃の経験はゼロ。
事業開始前に健常者2人でホームセンターへ直接足を運び、
清掃道具を揃えたものの、果たして準備している清掃用品が合っているかも
わからない状況でした。
そんな2名が、果たして知的障がい者5名に清掃作業を教えられるのか。
まさに先が見えない知的障がい者とのゼロからの清掃(リファイニング)作業でした。

記念すべき完成第1台目になるであろう複合機。

目にゴミが入らないようにゴーグルと防塵マスクをつけ、
汚れをとるために、全員で外階段へ複合機を運び、
エアーコンプレッサーをかけると、初めて使う道具に大興奮の知的障がい者社員たち。
しかし、その様子は仕事中の雰囲気とはかけ離れ「もう終わりにしよう」と言っても、
まったく伝わらず、ただただ楽しんでいる様子。
それでもなんとか、みんなで複合機を事務所へ戻し、全員で清掃作業を開始しました。

「円をかくように磨いて」と説明すると、きょとんとする知的障がい者社員たち。

「そうか、円を描くでは伝わらないのか。丸を描くと言わないと。」

そう気づきました。
知的障がい者へひとつ伝えるごとに、
教える健常者が学ぶ果てしない数の事例。
しかし、これはほんの始まりに過ぎません。
コミュニケーションもそうですが、問題も課題もまだまだ山積みです。

一番の問題は、健常者2名も複合機清掃の【正解】がわからないことです。
わからない人がわからない人を教えるという、まさに「カオス」状態。

今まで障がい者の指導に携わったことのなかった健常者2名。
知的障がい者と接するうちに、
言葉では限界がある。それなら動きを見せて一緒に。
そのように考え始めます。

事前に考えていたことの10分の1もできずに終わった初日。
それでもなんとか全員で複合機1台の清掃を終え、
今振り返ると、品質の悪い複合機の磨きが完成しました。

完成した瞬間は、みんなで創り上げた達成感から感動があったものの、
冷静に考えれば考えるほど「これでいいのか」という疑問がめぐる頭の中。

「もっと質の高い製品に仕上げなければ」
そう思う一方で
「果たしてどう仕上げたらいいのだろうか」
仮説すらたてることができませんでした。

明日からどうしようかを考えるものの、
頭の中は「どうしたら効率よく教えられるか」そればかり。

明日という日がどんな一日になるか想像すらできないけれど、
ただ、これだけは忘れずにいこうと決めていたことがあります。

人を雇用した責任があること
人の人生を預かっていること
人の人生を変えてしまうかもしれないこと

明日から始まる日々に、一抹の不安と不安と不安と不安と僅かな希望を胸に。

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<第3回 現場のリアル>はこちら

リベラル 社員 複合機
リベラル 佐久間

初日は、社員だけでなく保護者の方も迎え簡単な入社式を行った瞬間は、ようやくこの日を迎えることができたという喜びでした。
しかしそれもつかの間であると知るのですが・・・。
知的障がい者に教えるということの難しさをただただ感じ、初日、笑顔で帰宅する知的障がい者を送り出した後、上田部長とともに椅子に倒れこんで、疲れのあまりしばらく動けなかったことを思い出します。(懐かしい!)
ひたすら疲労困憊の中、不安もありましたが、やる気スイッチが改めて入ったことを覚えています。「これが私たちの進むべきなんだ」と。
今思い返しても、「障がい者雇用は決して甘くない。心してかかれ。」その思いは変わりませんね。

リベラル 広報担当者

この写真は、"奇跡の写真"です。タイトルは【すべてはここから始まった】でしょうか。リベラルにこういう時代があったことを忘れないでいなさいと言われているようです。この写真から溢れ出る純粋さ素朴感。上田も佐久間も若いです!特に上田が少年みたいですね!笑
上田と佐久間、このふたりが健常者の設立社員だったから、今のリベラルがあります。ふたりともお互いを短所を補える相手と言っていますが、お互いが別の分野のエキスパートでもあります。経営分野は上田、教育分野は佐久間。部下として、2人は最強の上司だと自負しています。
障がい者の働きやすさを徹底的に追求し続けてきた健常者ふたりがいるから、今があります。今までは、ふたりの上司に甘えてばかりきましたが、これからは背中を追いかけるだけではなく、私たち社員みんなでリベラルを引っ張っていかなくてはなりません。上田と佐久間が、私たちを雇用して良かったと思ってもらえるような仕事をしていきます!

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