応援メッセージ&社員インタビュー

崔 光 氏
崔 光 氏
流通経済大学経済学部 教授
特例子会社へのリベラル株式会社の取組みはなぜ成功したのか
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流通経済大学経済学部教授。韓国ソウル出身、93年来日。北海道大学経済学研究科後期博士課程修了。経営学博士。専攻分野は組織論、戦略論、事業創造論など。「企業の価値創造や起業家育成」を生涯のテーマとする。日本ベンチャー学会に所属。

私は最近、主に「企業による社会的価値の創造」という分野を中心に研究しています。そうした研究の中で特例子会社としてのリベラルの取組みを拝見してきました。
通常、特例子会社は売上や生産性よりも障がい者の雇用継続を重視します。なぜなら障がい者の雇用の促進等に関する法律では、企業は障がい者の法定雇用率2.0%を達成することが義務づけられているため、売上および生産性を上げることは法定雇用率を達成してから考えるわけです。しかしリベラルでは、法定雇用率のみならず、障がい者に生産性を求め、売上の半分以上(55%)を障がい者の仕事で生み出す、まさに障がい者が主役の会社となっております。健常者は彼らの仕事の支援に徹しているという点が、本当に素晴らしいし、仕事自体においても、障がい者の本気を引き出す仕組みが凄いと思います。

障がい者雇用といえば作業の一部を単純作業にしライン化するのが一般的ですが、リベラルは数人の障がい者にセル作業方式でまるごと仕事を受け持たせています。彼らの工夫と独自のコミュニケーションでお互いが様からの声を必ず障がい者に伝え、「自分達がいかに社会から必要とされているか」を常に意識させている点も素晴らしいと思います。

一言で言えば「リベラルは、障がい者が仕事を通じて社会の一員になれるということを証明した会社」ですリベラルでは、障がい者の仕事ぶりを「作品」という言葉で表現しますが、健常者の仕事に負けない(あるいはそれ以上の)クオリティを社会に提供しているという「自負」と「こだわり」を感じます。まさに、プロ精神というものを障がい者にもとめている点にリベラルの本質があると思います。

まだまだ障がい者雇用では非正規雇用が多く、賃金も他の一般社員との間に大きな格差がありますが、リベラル株式会社では、一般の社員並みの待遇を保証しています。こうした取組みが、他の特例子会社でもできれば障がい者雇用は次の次元に行けるのですが、ただリベラル株式会社を含めた数少ない企業だけが、今のところ成功しているだけです。リベラルには、これまで培ってきた障がい者雇用のノウハウを社会の中でどんどん広めて行って欲しいと思そのためにも、そうした環境を担う健常者の育成が益々重要になっていくと思います。