Riberal Days
「苦しみ多ければ、それだけ、報いられるところ少し」
今日は、太宰治が書いたエッセイの一文を紹介しようと思います。
『定理』というタイトルの文です。
「苦しみ多ければ、それだけ、報いられるところ少し」
えっ!?と思った方もいらっしゃると思います。
太宰は、苦労すればするほど報われないと言っているのです。
そりゃないだろうと思われるかもしれませんが、
私は太宰の言うことが現実だと思っています。
ただ、私のように50年も生きてきてみると分かるのですが、
滅多にない、何十年に一回くらいしかないかもしれませんが、
「生きていてよかった」と思う夜があります。
一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、
あとはゴミクズみたいな日々でも生きていけるものです。
太宰は自殺して亡くなった人ですが、
自殺なんかしないで生きてりゃよかったのにと思います。
生きていて、バカをやって、醜く老いていって、
それでも「まんざらでもない」瞬間を額に入れて時々眺めたりして
そうやって生きていればよかったのにと思います。
みなさんも「まんざらでもない」瞬間を大事に忘れずに
生きていっていただきたいと思います。